夢のような1日

アイドルを好きになって「夢のような1日」ってこういうことかと知りました。ツイッターやってます→@yareba_owaru

King & Princeはスラムダンクの山王戦だという話

先日、THE FIRST SLAM DUNKを見た。

なにを隠そうわたしはSLAM DUNK週刊少年ジャンプでリアタイしていた世代。そしてその影響をわかりやすくモロに受け、中高6年間はバスケ部、試合前に読むバイブルがスラムダンクという、あの当時日本全国どこにでもいた少年少女のひとりなのでした。

SLAM DUNKに関しては、もちろん単行本もいまも全部持っているし、コマ割りから台詞まで全部頭に入ってる。たぶん。

なので原作に忠実な今回の映画では、次のゴールがスパッと入るのか、外れるのか、はたまたコロリと入るか、ボードに当たってから入るのか、そういうのまで全部覚えてた。(そのことにびっくり。若い頃の記憶力ってすごいですね)

 

映画の内容や感想については一旦ここでは横に置いておくことにします。

(ざっくり:めちゃくちゃ懐かしくてやっぱり面白かった)

 

とにかく思い入れのあるスラムダンクの世界に久々にふれて、ハッとなった花道の台詞がありました。

 

「オヤジの栄光時代はいつだよ…

全日本の時か?

オレは今なんだよ!!」ってやつ。

 

(花道が山王戦中に負傷して、監督にベンチに下げられたあと、勝手に選手交代を申し出て試合に戻ろうとした場面にて)

 

これ。

子どもの時はよくわかっていなかったな。

「花道、バスケ初めてまだ4ヶ月なのに、今が人生のピークだなんて、なんで言い切れるんだろ。」って思ってた。

 

でも、どう考えてもそうなんだよ。

湘北みたいな学校にこんなメンバーが揃う偶然は、もうないわけで。ゴリとミッチーは3年で引退しちゃうし、安西先生も具合よくないからいつまで監督できるかわかんないし。

この試合に負けたら「次」はきっとこのチームでは戦えない。

ましてやインターハイの舞台で、考え得る限り1番有名で最強の相手と競り合って、勝てるかもしれないところまで追いつめてる。

 

今このときが、人生のハイライト。

 

その渦中にいながら、そうだとわかる花道は、すごい。

 

たいていの人は、「今が1番いいときだな」なんて自覚できないものじゃない?そして後から振り返って「あんときはよかったなー!」ってなるもの。

 

私、いまだに時々夢にみるもん。バスケやってて、チームメイトの期待を背負って、みんなに応援されて、歓声浴びてたあの頃のこと。インターハイにも行けないような普通のチームだったけど、それでもスタメンでいることに誇りがあったし、あんなにも自分の代わりがいない居場所ってその後は見つけられてない。夢から覚めて、「ああ、あの頃はよかったな」って何度でも思う。

 

話がそれました。

 

そしてやっぱり思ったのはKing & Princeのこと。

そうか、King & Princeはスラムダンクの山王戦なんだ、と思った次第です。

 

2023年5月22日をもって、5人のKing & Princeをもう見られなくなること。

今も全然受け入れられなくて、その発表を受けてからは毎日が本当に苦しい。

答えなんて見つかるはずがないにも関わらず、ふとした瞬間に「なんでこんなことに?」と考えてしまうのがあまりに不毛で、嫌で、もっとKing & Princeを見つめる時にふさわしい気持ちを探しています。

 

そのひとつの解が、今の気持ち。

「今わたしが目にしているのは、山王戦なんだ」というもの。

 

きっと、この先わたしにとってKing & Princeを超えるアイドルは現れない。これは確信です。

思ったよりも一緒にいられる時間が短かった。

ずっと、と言えないのは分かっていたけれど、まだまだその時ではないと思ってた。

 

でも。

山王戦を超える試合はないんだということを思い出そうと思う。

 

仮にあのまま花道がリハビリをやり遂げてコートに戻ってきても、山王戦を共に戦ったあのチームはもうない。そして、山王以上のチームと試合することももうない。

山王戦はただのインターハイの2回戦なんかでなく、「伝説」として語られていく、そういう唯一無二の価値を持つ試合だった。

 

それと同じように、King & Princeも伝説になるんだと思う。

 

もちろんもう少し続いていたら、次のパフォーマンスはもっとすごいものが生まれたかもしれない。

もっと大きな会場で、みんなでもっとすごい光景をみられたのかもしれない。

 

だけどKing & Princeって、すでに奇跡そのものでしょう?

 

「ツキヨミ」の切迫した鬼気迫るパフォーマンスも、「彩り」で表現した5人の連帯感も尊すぎる関係性も、紅白での「ichiban」に込めた全身全霊のメッセージも。

 

どうみたって普通のアイドルが一生かけて出力するカロリーを超えてる。アイドルとして、このクオリティの活動を何十年も続けていけるとは到底思えない。今このときにもてるエネルギーの全てが注がれていて、わたしはいつもその奇跡をみてきた。

 

何より、あの発表を受ける前にはもう戻れないという事実が、皮肉にも今のKing & Princeをいっそう輝かせてる。今だからこそ、こんなにも尊い

 

ありがとう。いつだって1番かっこよくて、最高に愛すべき5人だよ。

そして今もまだそこにいてくれる。

試合は続いてる。

 

お茶の間は、こんなすごい試合が今行われていることを知らない。

全てが終わったあとになって「うそ!こんなすごい試合があったんだ」と知ることになる。

 

その伝説の試合を、現在進行形で目撃しているのが今のわたしたちなんだろう。

試合終了のブザーが鳴るその瞬間まで、応援して、見届けることが出来る。今、わたしはすごいところにいる。

 

でもこれはあくまでファンとしての気持ちの「持ち方」の話。そういう風に考えたいという話。

 

放っておくと湧いてくるネガティブな感情に蓋をすることは出来ない。

けれども最高の試合をいまだ戦い続けている5人に対して、いまわたしが送れる最大の声援はどんなものなんだろうかと、考えていたい。

 

そのときに「これは山王戦」と思うことがひとつの道標になると信じている。

 

「湘北に入ってよかった……」

山王戦の後半残り1分の場面。

まだ勝負もわからないこの時点ですでに石井くん(湘北の一年生)が言うみたいに、

わたしもいつも

「King & Princeを好きになってよかった……」

と思ってるよ。

 

湘北は結果だけみればインターハイ3回戦敗退。

だけど、湘北が成し遂げたことは伝説になる。

山王戦は優勝にも勝る大金星と言っていい。

 

King & Princeはどう?

5周年や10周年を迎えられなくても、国立競技場や海外でコンサートが出来なくても、King & Princeは史上最高のアイドル、奇跡みたいなグループだっていうことをわたしは知ってる。

この試合は、負けなんかでは断じてない。

 

King & Princeを好きになったことは、既にわたしの勲章です。

 

こんな最高のグループに出会えてよかった。

デビューしてくれてありがとう。

 

誰かを呪っても、無力感に立ち尽くしても、時間は無情に流れるだけなので。

 

伝説のゲームの目撃者。

そして、俺たちは強い。

 

なるべくそうやって、5月までの残りの時間を生きられたらいいよね、という話。

 

 

🏀