卒論の最終章です。
いつもだらだら書いてしまうのだけど、卒論なので結論から書きます。
「嵐とは、季節であった」
というのがわたしの結論です。
結論というか。
『This is 嵐LIVE』の配信を見届けたわたしが感じたことがそれでした。
嵐は、私たちのところに訪れてたくさんの思い出を残して、過ぎ去っていく存在だったんだなと。
季節は時が来れば必ず移り変わって、いくら恋しいと思っても戻れないもの。
また次の年、同じ季節がめぐって来たとしても、それはあくまで別のものであって二度と同じ時間を過ごすことはできません。
奇しくも、活動休止前最後の配信Liveの最後の曲であった『Love so sweet』の歌詞の通り。
『こんな好きな人に出逢う季節二度とない』
わたしにとって、これこそが嵐でした。
嵐を好きになって、わりとすぐに出逢ったその歌詞。
発売当時(花男リターンズの頃ですね)は「わたしも!嵐みたいに何かに夢中になったのは初めて!」といううれしい共感を重ねて聞いていた記憶があります。(なんなら私のことを歌った曲じゃない?とか思っていたあの頃…若かったのよ…)
ちなみにこの曲の珠玉のサビである
『信じることが全て』
という歌詞にもどれだけ励まされてきたかわかりません。
この曲を聴かないと出勤できないくらいつらかった時期もあったっけ。
当時の職場の目の前にめちゃくちゃ長い横断歩道があったのですが、この歌を聴くことでようやく、そこを渡って今日も仕事に行くんだぞ、という力をもらっていました。
そんな風にもともと個人的な思い入れのある曲。その歌詞に、すでに嵐のすべてがあったんだな、と感じた2020年の大晦日でした。
10何年の伏線が回収されたような気持ち。
過ぎていく季節は、見送るのみです。
追いすがって嘆き悲しむのはちがうかな、と思います。
嵐というグループに出会ってから、たまたま自分の人生の中でもハイライトといえるような時期を過ごすことになりました。
学校を卒業して、社会に出て働くようになり、結婚して出産もしました。
その間に両親が離別したり、たった一人の姉を亡くしたりという苦しい出来事も経験しました。
そんな風に心が壮絶にいそがしい時期のすべてに、嵐はいつも寄り添っていてくれました。
たとえば、私が姉を亡くした後。
嵐が『Beautiful days』という曲(うたばんで涙チョロリと呼ばれてたあれです)をリリースするのですが、その中に
『悲しみを分けあって 涙の数へらすより
喜びを 分かちあえないほうがつらいね
まぶたの奥に映る こぼれる笑顔が
いまでも勇気くれるよ もう一度会いたい』
という歌詞がありました。
他の人にはわかってもらえないと思っていた私の悲しさ寂しさ孤独を、嵐がわかっていてくれたような気持ちになったのを鮮明に覚えています。抱えきれない重荷を一緒に担いでくれたような気持ちがして、本当に救われました。
もちろん嵐は、わたし個人になにかをしてくれるわけではないのだけれど。
いつも変わらない5人の姿を見せてくれて、前向きな気持ちになる音楽を届けてくれました。自分達のファンでいてくれてありがとう、と伝えてくれました。
そのことが、どんなときでも私を支えてくれていたというのは全然大袈裟な言い方ではないと思っています。
事実としてあるのは「わたしがある時アイドルを好きになって、そのあとずっと好きだった」というだけの話です。
だけどそれを「嵐と一緒に生きてきた」と思わせてくれたのが、嵐というグループでした。すごいよね。
嵐のファンとして恥ずかしくない人間でありたいと思うことが、いつしか自分をはかるモノサシになっていました。嵐のおかげで、相当まっとうな道を歩かせてもらった自覚があります。
当然のように、いつまでも一緒に歩いていくのかな、と思っていました。
その一方で、嵐もわたしも、気づけば人生の折り返し地点を感じるような年齢になっています。
わたし個人としても、未来に向かってひたすらなにかを手に入れていくような時期は終わっていくのを感じています。
これからは、いま手にしているものを大切に育てていく、あるいは一旦は手にしたものを一つ一つ手放して別れていく時期なのかなぁと。
あの頃嵐に恋していたわたし、はもう過去の存在です。あの熱量は、もう持ち得ない。仮にタイムスリップなんかして、今の私があの当時の嵐に出逢ったとしても、もうあの頃のように嵐にエネルギーは注げません。
「ああ、わたしの青春だったんだなぁ」
と思うばかりです。
だからこそ、嵐と同じ時代に生まれて同じ時に人生のピークを迎えられたことを奇跡的に感じています。
嵐のファンになれてよかったと心底感じます。幸せだったと思います。
嵐にもらった充実感、「生きてる」という実感はわたしの人生の宝です。
『嵐が去って、虹がかかる』
なんて、ちょっとできすぎている気もします。
でも最後のLiveで、それを本当に見事に体現していた嵐。すごいなぁ、と思います。
結局のところ、徒然と書いてしまいました。まったくの個人的な想いです。
嵐とは、季節でした。
わたしの人生の中で、一番輝いていた季節、それが嵐といた時間でした。
今はまだ、猛烈に恋しくて、戻れるものなら戻りたい。「嵐に会いたい」という気持ちが渦巻いています。
だけど。
季節は決して戻らないことを知っています。
『こんな好きな人に出逢う季節二度とない』
そう言える美しい季節が自分の人生に訪れた幸運に、感謝したいと思うのです。
ありがとう嵐。ありがとう。